パワー・インタラクティブを設立しようと思った
理由を教えてください。
住友ビジネスコンサルテイング株式会社を卒業した後、「私にできるのはやはりコンサルティング事業だろう」と思い、コンサルタントとして独立しました。ありがたいことに順調な滑り出しで、2年目にはすでに会社設立を思い描いていましたね。その頃には「クライアントにもっと満足してもらうには、チームを組むことが最善策だ」と考えるようになっていました。
というのも、クライアントはそれぞれ違う事業を展開していて、強みも弱みも環境だって違うにもかかわらず、当時は私ひとりでコンサルティングしていたのです。事業内容の異なる複数のクライアントに対していろいろな形でコンサルティングをし、結果として自らは成長できたものの、ひとりでこのまま続けることによるクライアント側のメリットはありません。でも、チームを組んでさまざまな人がそれぞれの視点からコンサルティングをすれば、より最適なサービスを提供できるのではないかと考えるようになりました。
考えを実現する決心をしたのは、2年目に入った1996年夏のことです。ちょうどWindows95やIntel Pentium Chipなどが登場し、シリコンバレーのIT技術に世界が注目していた頃でした。8月の後半に2週間ほど夏休みを過ごした、アメリカでの経験が背中を押してくれたのです。実はその前から「これからはインターネットの時代が来るのではないか」と思っていたのですが、実際にシリコンバレーで時代の最先端をいくIT技術に触れたことで、確信に変わります。
「これからインターネットインフラになっていくはずだ。新しいマーケティングの形、『デジタルマーケティング』をやっていこう」と。
半年後にパワー・インタラクティブを立ち上げました。